はじめに
「虚数は存在しない」は嘘だった!??
ということで、虚数が存在することを示したいと思います。
前提
実数は構成できているものとする。
実数の構成についてはこの記事を参照
構成方法1 - R^2に演算を構成
$\mathbb{R}^2$に以下のように演算を定める。
$$(a,b)+(c,d)=(a+c,b+d)$$
$$(a,b)\times (c,d)=(ac-bd,ad+bc)$$
$$-(a,b)=(-a,-b)$$
$$(a,b)^{-1}=\left(\frac{a}{a^2+b^2},\frac{-b}{a^2+b^2}\right),(a,b)\neq (0,0)$$
このように定めると、$\mathbb{R}^2$は体の構造をなすこれを複素数の集合として、$\mathbb{C}$と書く
また、$a+bi:=(a,b),(a,b\in\mathbb{R})$と形式的に書く。
構成方法2 - 行列
$$a+bi:=\pmatrix{a&b\\-b&a}$$
と定める。
和・差・積は行列の演算そのままで考えれば良い。
このとき、$$\det(a+bi)=a^2+b^2$$であるため、$(a,b)\neq (0,0)$ならば行列は正則なので逆行列を持つ。そしてその逆行列を積の逆元と定める。
ここで、$a+bi$の逆元は
$$(a+bi)^{-1}=\frac{1}{a^2+b^2}\pmatrix{a&-b\\b&a}$$
であり、$c+di$の形で書くことができる。
こうすると、この集合は体であって、実数係数の二次元ベクトル空間になっていることがわかる。
構成方法3 - 剰余環
$\mathbb{R}[x]$を実数係数の多項式環とする。このとき、
$$\mathbb{C}:=\mathbb{R}[x]/(x^2+1)$$
と定める。そして、商集合の元は$[a+bx]\in\mathbb{C}$という大表現を持つことができて、このとき$a+bi:=[a+bx]$と定める。
さらに、$(x^2+1)$というイデアルは極大イデアルであるため、それの剰余環である$\mathbb{C}$は可換体となる。
最後に
これらの操作ができることって、ZFCの恩恵を受けてないですか?基礎論は詳しくないので詳しくはわからないのですが、無限集合を扱っている時点でヤバそうな雰囲気は漂ってはいる。
つまりは、「ZFCを認めるならば、複素数は存在する」ことが言えそう?
また、何の公理も仮定をせずに存在を示すのは厳しそうである