【位置エネルギー】なんだろう、嘘つくのやめてもらっていいですか?【虚数】

元ネタ


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位置エネルギーについて

自分は「位置エネルギーは本当は存在しなくて、便宜上定義したものである」という結論自体については間違いでも正解でもないと思っている。ただし、ひろゆきはその結論に至る過程の議論で決定的な間違いを犯している。

 

(一本目の動画)

ひろゆきの主張を要約すると

位置エネルギーというものの存在を仮定する

・すると、高いところにある物体は大きなエネルギーを持っている

・つまり、高ければ高いほど、例えば宇宙空間にあるものは大きなエネルギーを持っている。

・しかし、実際には宇宙空間にある物体は落ちてこない

・つまり、エネルギー0である

・これは矛盾している。

・つまり、位置エネルギーというものは存在しない。

 

要は背理法で「位置エネルギーが存在しないこと」を証明してしまったのである!

「便宜上位置エネルギーを定義して考えている」という結論自体については「それってあなたの解釈ですよね?」で済ませばいいが、結論に至るまでの過程でおかしなことを言っているため、それは見過ごせない。

さて、この証明のどこがおかしいかというと

4番目、「宇宙空間にある物体は落ちてこない」これは少し怪しいが百歩譲って許す。しかし5番目、「つまり、エネルギー0」はおかしい。

 

まず、4番目について

理論上、宇宙空間に地球とボールしか存在しない場合、ボールが地球とどれだけ離れていても、ボールは地球へ落ちていくのである。

現実でそうならないのは、宇宙空間には地球とボール以外にもたくさんのものが存在するからである。実際には、宇宙空間では地球からの重力以外にも太陽からの重力、月からの重力など、たくさんの物体から重力を受ける。それらが合成されることによって、どれくらいの重力が働いているかを考えることができる。そして、距離が離れると地球以外の天体による影響がより大きくなるが、地球から受ける重力は決して0にはならない。

とりあえず、ニュートン力学ではそのように考えている。4番目は理論的には間違いだが、机上の空論だと言われれば仕方がないため、とりあえずここらへんとしておこう。

 

そして、5番目

落ちてこないからと言ってエネルギー0というのは明らかに間違いである。落ちてこないとしても、ボールに対して地球方面への速度を与えると、地球に落ちてくるはずである。その過程で物体は加速される。つまり、重力によって加速、言い換えると位置エネルギーが運動エネルギーに変換される。つまり位置エネルギーは0ではない。

ちなみに、位置エネルギーはマイナスの値にもなるため、エネルギー0だから加速されないというのも違う。位置エネルギーは、基準地点と比べてどれだけの差があるかという差分の値を考えることにのみ意味がある。よって基準の決め方によっては位置エネルギーは0になったりマイナスになることもある。

 

オッカムの剃刀

(二本目の動画)

「無くても良いものは説明しない」ということだが、別に位置エネルギーは仮定しているものではない。

位置エネルギーの話は、単に「重力によって物体が落ちる」という話を数学的に言い換えているだけに過ぎない。つまり「重力によって物体が落ちる」と「位置エネルギーが運動エネルギーに変わる」は本質的に同じことを言っているのである。よって「重力だけで説明できるのに位置エネルギーの存在をわざわざ仮定する必要はない」は間違いである。

また、ニュートン力学において仮定しているものは3つ

以上3つをニュートンの運動三法則という。

基本的には力学的な話は以上の3つから理論的な帰結によって導かれる。

虚数について

2個めの動画 3:18

(「それを言うなら実数は存在しない」に対して)

・(1個のコップを指して)1というものは存在している。だから実数は存在する数

という主張をしている。

 

実数だってもともとは存在しなかった。しかし、四則演算ができて順序比較ができるような「実数」という謎の数字の存在を仮定することによって便利になる場面が多いため、実数を使うという話なのである。

指の本数が5本と数えられるのも、コップが1個であると考えることができるのも、人間が「実数」というものを発明したおかげで、そのような概念を考えることができるのである。

 

また、虚数は「2乗してマイナスになるものの存在を仮定」する必要はない。実数から具体的に「構成」した結果、2乗してマイナスになる何者かが誕生したと考えることもできる。歴史的な流れでは「虚数の存在を仮定」となっているが、現在的な視点では「虚数は構成するもの」と考えるべきだろう。

 

shakayami.hatenablog.com

 

結局、「実数がこの世に存在する」と「虚数がこの世に存在する」という2つの命題は同値である。「実数が存在して虚数が存在しない」という主張をするのは、単に虚数を理解できてないだけである。

 

それって私の感想ですよね?

位置エネルギーについて、ニュートン力学の話をしているのかと思ったら急に相対性理論の話が入ってきたり、オッカムの剃刀とかが出てきたり、支離滅裂だなぁと思いました。